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2022.03.31更新

明日から新年度。

 民法も一部改正が入ります。その大きな目玉は、成年年齢の引き下げです。
 今日までは、民法第4条により成年年齢は20歳でしたが、明日からは18歳に変更になります。
 未成年者の場合、原則としてご両親(人によっては未成年後見人)の同意がなければ単独で契約行為が出来ませんでしたが、明日からは18歳以上であればご両親の同意なく契約行為が出来ます。
 例えば実際にお金があるかは別として、不動産の売買、全身脱毛、エステに行くなどです。
 もし未成年者が親の同意なく上記の契約を締結したら、ご両親がこれらの契約を取り消す事ができます。

 一般に高校3年生で18歳になるので、マスコミ等で懸念されているのは、主に2つ。
 1つ目は、クレジットカードが作れること

  規約の改定が無いことが前提ですが、27歳以上にならないと作れないダイナースカード、学生にはコスパの悪いアメックスカード(プロパー)は、別ですが、他のカードは一応作れます。(内規で無理な所も出てくるかもしれませんが)

  勿論カード会社の審査に通る事が前提ですが、お金の教育を受けていない高校生が安易にカードを作る事でいきなり借金漬けになってしまうのではないか?
  これは一理あります。特にスマホゲームでの課金してしまう事が考えられます。18歳19歳の子供たちに限らず大人でもそうなのですから。


  私もあるゲームを微課金でやっていますが、「VIP」を上げると強いアイテムが貰えるのでどんどん課金している人を見ます。中には1年間でそのゲームだけで最低見積もっても300万円以上という人も。そしてこんなに課金してもいつの間にか消えてしまう人もいます。ゲーム上のチャット機能での会話し可したことがないので、飽きて止めてしまったのか、お金が無くなって辞めざるを得なくなったのかわからないのが怖いです。

 2つ目は女性に関してですが、校則は別として民法上アダルトビデオの出演が可能になります。言い換えれば現役女子高生のAV女優が誕生する事もできるのです。

  最も大抵の高校は、アルバイト禁止又は届出制という所が多いのでそもそも出演しないと思いますが、このような校則がある中で万一出演してしまった場合、学校にばれたら最悪「退学処分」等となり相談できず泣き寝入りする人もいるかもしれません。
  思い返して下さい。数年前AV出演強要事件がありました。成年者ですらこのような事態があり得るのですから、18、19歳の子に守るすべがあるのか?ということです。このようなトラブルは、AVだけに限らず他の分野でも起こり得るので、岸田総理は他の法律で対応できると国会で答弁しています。
  まあ確かに一部のネットワークビジネスなど怪しいものが世の中に多く出回っていますので、何もAV問題だけではないですが。
  
 話は変わって、当事務所に直接関係するものとして、遺産分割協議の問題です。今までは20歳未満の相続権者は特別代理人を裁判所で選任してもらわなくてはなりませんでしたが、明日からは18歳未満に変わります。

 成年年齢の引き下げ、いい方向に向かっていく事を望みます。

投稿者: NBC司法書士事務所