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2018.06.11更新

先日、ご相談のあったお客様の話です。


そのお客様のお父様から、お客様への不動産の売買に伴う登記に関するご相談がありました。
登記手続に必要となる書類を一通り案内し、当事者のご本人様確認のためお父様とも面会する必要があることを説明しました。
するとお客様は「父は少し認知症ぎみですが、自分が事務所まで連れてくるので大丈夫です。」とのことでした。

 

贈与や売買等、人が法律に関する行為をするためには、本人にその行為を正常に判断する能力が備わっている必要があります。
認知症の程度にもよりますが、認知症の場合、自身の法律に関する行為を正常に判断するには困難を伴うことが往々にしてあります。

 

お客様へ、主治医からお父様の診断書をもらうよう案内したところ、案の定、法律行為不可の診断がおりました。
現在は、成年後見制度という、お父様本人の財産管理を裁判所が選任した代理人が行う制度を利用するための手続きを行っています。

 

このように、認知症になってしまいますと、不動産の売買や贈与、相続に伴う遺産分割協議、自社の株主としての議決権行使などなど、
法律行為は大きく制限されてしまい、当初の計画がすべて頓挫してしまいます。
また、場合によっては成年後見制度の利用を検討するなど、対応が必要となりますので、ご注意が必要です。

投稿者: NBC司法書士事務所