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2019.06.07更新

 ここのブログ自体更新することは久しぶりです。

 

 ところで皆さん、「家族信託」という言葉を聞いたことがありますか?「信託」というと投資信託や信託銀行など商事分野での事は聞いたことがあるかと思います。でも「家族信託」って?

 

 実は昨日、家族信託の研修に行ってきました。昨日の研修は、実践色が強いのでここに記載することは憚られますが、複雑であるものの理解するとこれからの高齢化社会でとても心強いものになり得ます。

 

 質問の答えになっていない?確かにそうですね。一言でいうと家族や親せき間で信託銀行のように、財産を信託して管理・運用・処分ができる制度です。勿論不特定の人の財産の信託を受けこのような行為を行うと信託業法に違反してしまいますので、そのような事はできません。司法書士・弁護士でも不特定の人の財産を信託銀行のように預かり(※)運用・処分をすることはできません。

 ※預かり  正確ではありませんが、正確な法律用語にするとわかり辛くなるのでこの言葉を使用しています。

 

 具体的には、どのような場合に使うのか?

 一番オーソドックスなのは、認知症対策です。認知症になってしまうと本来成年後見人を家庭裁判所で選任してもらいます。そうなると家族は勿論本人の財産は、成年後見人が管理するようになります。そうなると自分のお金を自由に使えなくなります。また最近不祥事防止のため裁判所の監督も厳しくなり、成年後見人も柔軟なお金の使い方を認めません。このような状態になってしまう事をよく「財産が凍結される」などと言います。当然相続税対策等論外になってしまいます。

 また認知症も進み、施設に入る必要が生じ、その資金を賄うため自宅を売却しようにも家庭裁判所の許可が必要になってきます。そうなると時間もかかるし、不動産を売却すると1千万円単位のお金が入ってくるので、弁護士等の専門家が入ってくる可能性が高くなります。最近は運用が変わってきているものの、基本的に専門家が入ってくると一生後見人を務めることが多く、認知症になって長生きすればするほど後見人に多額の報酬を支払わなければなりません。

 

 それはそれで仕方がないなという方は、この成年後見制度を利用すればいいのですが、これに不満を持つ方も多い事も事実です。

 そこで登場するのが、家族信託です。(勿論任意後見制度もありますが、今回は家族信託をテーマにしているので省きます。)

 1つ例をあげます。

  父  自宅、 預金1千万円位持っています。  家族は、母と長男・長女がいます。

 長男 万一父が認知症になってしまったら母の負担が大きくなり、そうなったら父の自宅を売却して母を自分の家に呼び一緒に暮らしていいと思っています。長男の妻も子供たちも賛成しています。勿論父が亡くなった後妹の長女と揉めたくありません。

 

 今回は、事例を複雑にしないため、全員の同意を得て信託契約をすることにします。

 父を委託者とし長男を受託者、そして父を受益者として自宅のみ信託財産とします。

 委託者とは、財産を信託するものをいいます。受託者は信託を受けるものをいいます。また受益者はその信託契約により利益を受けるものをいいます。

 自宅は、不動産ですので当然信託を原因として長男に所有権移転登記をします。信託なので実質的な所有者は父のままです。したがって父が元気なうちは当然その家に住むことができます。

 何事もなく父が天寿を全うすれば、信託を終わらせ相続財産にします。(勿論父が死亡したとしても次の受益者を決め相続財産にしないこともできます。)

 

 逆に父が認知症になり成年後見人が選ばれることになりました。しばらくは在宅でよかったもののやはり施設に入れることに家族全員が同意し、自宅を売却しそのお金を施設費用に充て母は、長男の家で暮らすことになりました。その場合税務の問題はね考慮していませんが、信託契約の際に自宅の売却代金の一部を母に渡せるようにもできます。

 

 このような形で家族信託を使う事が出来ます。※

  ※これはあくまで一例です。したがって別の方法も当然あります。

投稿者: NBC司法書士事務所